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パンテオン~建築雑学~

パンテオンについてのメモ

引用:https://direzionemuseiroma.cultura.gov.it/pantheon/
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古代ローマ建築の最高傑作「パンテオン」

イタリアのローマに位置するパンテオン。英語表記は「Pantheon」
2000年前に建てられた。
まだ鉄筋コンクリート造のない時代に作られた巨大なコンクリートドームが特徴。
(※鉄筋コンクリート造=RC造は19世紀フランスで登場)

メモ1:今のパンテオンは再建されたもの

現存するパンテオンは3代目と言われている。
初めのパンテオンは初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近マルクス・ウィプサニウス・アグリッパによって建造された。(※建物正面に刻まれている文字の一部はアグリッパさんの名前)
パンテオンはアウグストゥスの霊廟の近くにあり、パンテオンは元々アウグストゥスを奉るために作られたのではと言われている。

建物とアウグストゥスさんの霊廟との距離は1kmほどで当時は周囲に建物がほとんどなかった。
彼の功績を称える霊廟の近くにパンテオンを建てることで皇帝の特別な地位を示し、国民にこれからの政治を受け入れてほしかった。(パンテオンが建てられた目的)

この初代パンテオンは西暦80年のローマ火災により崩壊。その後再建されたパンテオン(2代目)は西暦110年の落雷により焼失。。。

今見ることができるパンテオンは西暦125年ごろ、皇帝ハドリアヌスによって再建されたもの。

メモ2:皇帝ハドリアヌス

ハドリアヌスは大人気だった初代ローマ皇帝アウグストゥスのように国民の尊敬を集めたかった。
そのためアウグストゥスの親友アグリッパの名前をパンテオン正面に入れた(アウグストゥスを模倣した)

ハドリアヌスもアウグストゥスのように霊廟を建造(※テヴェレ川西岸のサンタンジェロ城のこと)

サンタンジェロ城:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:RomaCastelSantAngelo-2.jpg

建築に詳しかったハドリアヌスが建てたパンテオンは頑丈で保存状態が良い。

メモ3:形状の特徴

パンテオンで使われているローマン・コンクリートにはたくさんの骨材が含まれていて強度が高い(ローマン・コンクリートの骨材の主成分は火山灰)

正面

パンテオンは神殿なのに裏側は丸みを帯びていて神殿らしくない(一般的な神殿は四角形)
正面の巨大な柱は16本あり、この柱は花崗岩の一枚岩から削り出されたもの。

壁の厚さは6mあり数千年の時を耐えてきた。
壁に煉瓦製のアーチを埋め込み建物の力を分散している。

ドーム

天井のドームは直径約43m、ドーム中心の穴は9m。
穴は「オルクス」と呼ばれる(※オルクスの意味はラテン語で【眼】)

ドームの土台には砕いた煉瓦を混ぜて強度を上げている。上の方は軽石を混ぜて軽くしている。
ドームの厚みも上に行くと6m→1.5mと薄くなるよう設計されている。

内側の掘り込みもドーム重量を抑える工夫の一つ。

大理石の床は雨対策で傾斜が付いていて、その床には排水用に22個の穴がある。

メモ4:パンテオンの雑学

・パンテオン近くにある水道管破裂がきっかけで、地下に眠る「パンテオンまで続く古代石畳」が発見された(石灰岩の石畳)

・パンテオン地下には大理石の階段と基礎、柱の跡がある(パンテオンが再建された証拠)

・オクルスの穴から差す陽がローマ建国記念日(4/21)の正午に入口を照らすよう、ハドリアヌスは設計された。

・ハドリアヌスはギリシャ建築の特徴を持ってきて多くの建物に反映(彼はギリシャかぶれと呼ばれるほどギリシャ学が好きだった)

・パンテオンの対称性もギリシャ建築からきている

・パンテオンは約400年以上の間神殿だった。後に広まったキリスト教により西暦608年パンテオンは神殿から協会に変わった。(それから1400年の間カトリック教のまま)

・パンテオンは有名だが世界遺産ではない

メモ5:パンテオンに影響を受けたロタンダの建物

ロタンダは円形の建物のこと。通常、その上にドーム状の屋根が付いている。

・サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(イタリア)

・サン・ピエトロ大聖堂(イタリア)

・ジェファーソン記念館(アメリカ)

・アメリカ合衆国議会議事堂(アメリカ)

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