過ごしやすい空間を作る方法として、6つの視点を持っておくことをおすすめします。
部屋が寒いときの対策
これからの時期、寒さが厳しくなっていきますね。
部屋の寒さを改善する方法を6つ挙げてみましょう。
- 部屋の温度を上げる
- 加湿する
- 窓際など冷たい壁付近の熱移動を抑える
- 空調の風が体に当たらないようにする
- 体を動かし代謝量を増やす
- 衣服量を増やす
上記6つは温熱環境からみた対策方法です。
なぜ効果があるのか、具体的な理由を詳しく見ていきましょう。
温熱環境6要素
生活の中では、快適な環境と不快な環境があります。
環境工学の視点では温熱環境の6要素により、この過ごしやすさの良し悪しが決まるとされています。
無意識でより快適な環境になる選択をできている私たちですが
6要素について知っていると、もっと効率的に過ごしやすい環境づくりができるでしょう。
まず、温熱環境の6要素は「環境側」と「人体側」に分けられます。
それぞれの要素で快適な参考範囲も示しているので参考にしてください。
環境側
環境側には4つの要素があります。
気温
ここでは室内の空気温度をさします。温度計で簡単に確認することができますね。
快適に感じる気温範囲
・夏は25~28℃
・冬は17~22℃
10℃より下がってくると寒く、手指・足先がかじかむなど活動が鈍りはじめます。
反対に28℃以上になると暑く感じ、発汗作用も起こってきます。
温度の暑い・寒いはエアコン設定など日ごろから身についている方が多いのではないでしょうか。
ちなみに椅座位の場合、頭と足元の温度差は3℃以内が良いといわれています。
暖かい空気は上に、冷たい空気は下へ行くため、冬場は特にこの温度差が3℃より広がらないよう注意しましょう。
「椅座位」とは椅子に座った状態のことをいいます。
詳しくは下記サイトが参考になります。
外部リンク:椅座位とは|生活用語辞典 – x-Memory
湿度
湿度とは空気中の水分量のことです。
人は同じ温度の中でも、湿度が高いとじめじめして暑く感じ、
湿度が低いとカラッとして涼しく感じます。
快適に感じる相対湿度
・40%~70%
季節や国の気候によって湿度も大きく変わるので、気温だけで快適指数は導けないということですね。
放射
室内では壁や天井、床や家具の表面から赤外線により熱が放射されています。
この放射熱の温度が室内の気温より低いと涼しさを感じ、
反対に室内温度より高いと暑さを感じます。
外部の熱も熱伝導により室内に放射されています。
そのため冬場は窓際が寒く感じますし、コンクリートや木など壁素材により外部温度の影響の受けやすさも変わってきます。
熱は熱い場所から寒い場所へ移動するため窓際に近づくと、
体温が冷たい窓の方へ逃げてしまい寒気がするのです。
※これは「冷輻射」といいます。
気流
気流とは、室内の空気の流れのことです。
空気の流れがあると、体感温度が下がります。
室内に限らず夏場にふく風は涼しく、冬場にふく風は寒く感じるのは体感温度が下がるためです。
快適に感じる気流速度
・0.5m/秒以下
体感温度は、風が秒速1m強く吹けば体感温度およそ1℃下がり、湿度がある程度高い場合に湿度が10%上がると体感温度がおよそ1℃上がるという考え方が基本になります
『だからアイスは25℃を超えるとよく売れる』2018.06|常盤勝美
人体側
人体側には2つの要素があります。
代謝量
代謝とは、人が運動したり作業をする中で熱エネルギーを発生することです。
椅座安静時の人の体表面積1㎡当たりの代謝量を1metといいます。
代謝量によって環境の快適指数も変わってきます。
代謝量は活動量とも呼びます。
着衣量
私たちが着ている服も、暑さ・寒さに大きく影響を与えます。
この着用している服の量を表す尺度はclo値で表されます。
clo値は着衣による熱抵抗値のことです。
clo値は衣服それぞれで測定できますが、下記のような基準が挙げられます。
・何も着ていないとき 0clo
・標準的なスーツを着ているとき 1clo
・夏服 0.6clo
・冬服 1.5clo
暑いときはよりclo値が下がるような着衣を選択し、
寒いときは反対にclo値を上げる選択をすると良いということです。
クールビズの指標としてもclo値が利用されています。
おわりに
環境工学では、これら6要素の組み合わせを使い温熱環境の指標を出します。
生活するうえでもこれらの視点を持っていると、
快適な空間づくりの手助けになること間違いなしです。
ぜひお役立てください!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
それではまた次回お会いしましょう。